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眼底出血

突然、視力が低下する!
眼底出血とは

眼底出血とは、眼底にある網膜の血管が障害され、出血した状態を指します。
加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、網膜剥離などの目の病気、腎臓病や白血病などの全身の病気などを原因とします。また、高血圧症や糖尿病がある方は、眼底出血を起こしやすくなります。
眼底出血に伴う症状としては、飛蚊症、視野障害、視力低下などが挙げられますが、それほど強くは現れません。そのため、健康診断などでたまたま見つかるケースが多くなります。ただ、眼球内に血液が溜まる硝子体出血を起こした場合には、急激に視力が低下します。

眼底出血の初期症状

眼底出血に伴う初期症状には、以下のようなものがあります。
進行すると、視力低下などの症状も現れるようになります。

飛蚊症

飛蚊症眼底出血を起こした場合、よく見られる症状です。
黒い点や線が、視界の中をふわふわと漂います。生理的に起こる一時的な飛蚊症もありますが、飛蚊症が続いている・頻繁に繰り返されるという場合には注意が必要です。

中心部が歪んで見える

中心部が歪んで見える黄斑部の近くで出血した場合には、視野の中心が歪んで見えることがあります。
もう片方の目で視野が補われ、歪みに気づかないケースも少なくありません。

かすみ目

かすみ目黄斑部の近くで出血した場合、視野の一部が霞んで見えることがあります。

眼底出血は見た目で分かる?

結膜下の血管が破れて起こる結膜下出血では、外から目を見た時に、明らかな赤い血液が認められます。
一方の眼底出血では、眼科での眼底検査をして初めて分かる異常であり、外から肉眼で見て分かるものではありません。赤い血液が見えたり、白目が赤くなったりはしないのです。
これは、血液が硝子体に溜まる硝子体出血を起こしている場合も同様です。
「見た目で出血がないから眼底出血ではない」とは言えませんので、くれぐれもお間違いのないよう、ご注意ください。

眼底出血の原因は何?

ストレスや食生活には
要注意!

ストレスや食生活には要注意!眼底出血は、主に加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、網膜剥離などの目の病気に伴って起こります。そして、これらの眼科疾患は高血圧や糖尿病といった生活習慣病・動脈硬化とも深い関係を持ちます。
つまり突き詰めて考えると、食習慣の乱れや運動不足、睡眠不足、過度のストレスなども、眼底出血のリスクを高めていると言えます。
特にすでに生活習慣病の診断を受けている方は、その生活習慣病の治療にしっかりと向き合うことで、上記の眼科疾患や眼底出血の予防に努めましょう。

眼底出血の原因となる疾患

網膜静脈閉塞症

網膜の静脈が詰まることで、網膜の血流が滞る病気です。物が歪んで見える、視力の低下などの症状が見られます。
主な原因としては、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病が挙げられます。特に、高血圧は網膜静脈閉塞症の重大なリスク因子となります。

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糖尿病網膜症

糖尿病の合併症の1つです。慢性的な高血糖状態によって、網膜の血管が障害されます。
初期にはほとんど無症状で、かなり進行してから視力低下、飛蚊症、かすみ目といった症状が現れます。
糖尿病と診断を受けた時点で、眼科で検査を受け予防・早期発見に努めることが大切です。

詳しくはこちら

網膜細動脈瘤

高血圧などによって動脈硬化が進み、網膜の血管が詰まることで形成される瘤のことです。瘤が破れると、眼底出血を起こします。
脳梗塞や心筋梗塞も起こりやすい状態と言えます。

眼底出血の検査

視力検査

視力の低下の有無を確認します。硝子体出血を起こしている場合には、急激な視力低下が認められます。

眼底検査

眼底を観察し、網膜の状態、出血の有無、黄斑部のむくみの有無などを調べます。

光干渉断層撮影(OCT)

網膜の断面画像を取得することができます。血管やむくみ、出血などについて、より正確な診断が可能です。

眼底検査の治療

薬物療法

止血剤、網膜循環改善薬などの内服が主となります。
網膜循環改善薬は、出血の吸収を促す薬です。

抗VEGF硝子体注射

抗VEGF硝子体注射網膜の血流が低下し、酸素・栄養不足になると、細胞からVEGFという物質が放出されます。VEGFの放出によって新生血管(もろく破れやすい異常な血管)ができてしまうため、これを防ぐ抗VEGF薬を白目に直接注射します。

硝子体手術

硝子体手術白目部分に小さな孔をあけ、そこから器具を挿入し、洗浄や硝子体の除去を行います。

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レーザー治療
(網膜光凝固術)

網膜の障害された部位をレーザーで焼灼する治療です。残った細胞に酸素や栄養が届くよう、促します。

眼底出血に関するQ&A

眼底出血は自然に治りますか?

ド出血自体は、1~3カ月で自然に吸収されます。しかし、一度障害された網膜の機能は、元には戻りません。
そのため、進行を食い止めるための治療が必要になります。また硝子体出血に至った場合には、硝子体を切除する硝子体手術が必要になります。

眼底出血を起こしている時、やってはいけないことはありますか?

眼底出血を起こしている場合には、運動など網膜の血管への負担となる行為は避けなければなりません。
医師からの指示については、必ずお守りくださいますようお願いします。

眼底出血で低下した視力は戻りますか?

軽度であれば、治療によって視力が戻ることもありますが、進行している場合には困難となります。
何らかの症状がある場合はもちろんですが、健康診断などで眼底出血の疑いを指摘された場合など、必ず眼科を受診するようにしてください。