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白内障

白内障とは

白内障とは白内障とは、主に加齢を原因として、水晶体が濁ってしまう病気です。80歳以上のほとんどの人に見られる、私たちにとって身近な眼科疾患です。早い人では、40代で発症することもあります。
白内障は、長く放置せず、適切な治療を行えば、失明に至る病気ではありません。しかし、点眼薬による治療はあくまで進行を遅らせるものであり、根本的な治療のためには手術が必要になります。また症状も緩やかに進行するため、定期的に眼科を受診していないと発見・治療が遅れることが少なくありません。
当院では、誰にでも起こり得る白内障という病気の治療に、特に力を入れております。必要に応じて、日帰りでの白内障手術にも対応します。

白内障になりやすい人とは?

白内障になりやすい人とは?

白内障は、主に加齢を原因として発症する病気ですが、紫外線、喫煙・飲酒などもリスクとなります。以下のような人は、そうでない人と比べると白内障になりやすいと考えられます。

  • 50歳以上の方
  • 漁業、農業、サーフィン・海水浴などで紫外線を浴びる機会の多い方
  • 長年喫煙をしている方、していた方
  • お酒をよく飲む方
  • 糖尿病の方
  • アトピー性皮膚炎の方
  • 目を酷使している人

白内障になりにくい人

白内障になりにくい人を明確に定義することは困難です。
しかし、白内障のリスクを取り除くことで、白内障の予防において、一定の効果があると考えられます。
つまり、紫外線を浴び過ぎない(目の日焼け対策を十分にする)、喫煙・飲酒を控える、糖尿病にならない(生活習慣を改善する)といったことが重要になると言えます。

白内障に初期症状はない?

白内障の症状は、通常緩やかに進行します。また同時に、初期症状に乏しいという特徴があります。「症状に気づいて受診したら初期の白内障だった」というケースは少ないというのが現状です。症状の現れ方・感じ方には個人差があり、自覚症状のないまま10年以上を過ごし、大きく進行させてしまったという方もいらっしゃいます。
初期の白内障を発見するためには、年に1度、眼科を受診して検査を受けることが大切になります。

白内障の症状

白内障の症状

白内障の症状には、以下のようなものがあります。いずれかの症状が現れている場合には、白内障がある程度進行していることが予想されます。

  • 視力の低下を感じる
  • 近くのものが見えやすくなった
  • 視界が白くかすみ、視野がぼやける
  • 強い光に敏感になり、光をとても眩しく感じる
  • 眼鏡やコンタクトレンズが合わなくなった
  • 物が二重に見えるようになった
  • 目が早く疲れやすくなった

白内障の種類と発症原因

加齢性白内障(老人性白内障)

加齢を原因とする白内障であり、白内障全体の大部分を占めます。
80歳以上の方のほとんどが、この加齢性白内障を発症しています。年齢を重ねると症状に気づきにくい傾向があり、これにより受診がさらに遅れてしまうことがあります。

若年性白内障

白内障のうち、特に若い方に発症する白内障の総称です。
よく見られるのは、アトピー性皮膚炎に起因するアトピー性白内障です。その他、紫外線、喫煙・飲酒、目の酷使、糖尿病なども、若年性白内障のリスク因子となります。

続発性白内障とは

ステロイド剤の長期服用、網膜硝子体手術、ぶどう膜炎などを原因として発症する白内障です。糖尿病を原因として起こる白内障も、ここに分類されることがあります。
白内障手術と網膜硝子体手術を同時に行う必要があるケースも見られます。

アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎によって引き起こされる白内障です。30~40代くらいの、比較的若い方に発症するケースが目立ちます。
アトピー性白内障では、症状が急速に進行します。症状に気づいてから数カ月で、目の前の物が見えづらくなることもあります。

糖尿病白内障

糖尿病が原因と思われる白内障です。慢性的な高血糖により水晶体に濁りが生じると言われていますが、はっきりとしたメカニズムは解明されていません。
糖尿病であれば、20代や30代でも発症します。また、加齢性白内障と比べて、症状が早く進行する傾向があります。

外傷性白内障

ぶつけたり、鋭利なものが刺さったりして起こる白内障です。
水晶体が濁るだけでなく、硬くなる(過熱白内障)こともあります。

鈍的外傷

眼球または眼球周囲への鈍い衝撃によって、水晶体が障害されます。
格闘技をはじめとするスポーツで発生することが多くなります。

穿孔性外傷

鋭利なものが眼球に触れ、水晶体が損傷します。
工事現場での事故、交通事故などで発生することが多くなります。

白内障はどんな検査で
分かる?

問診、診察の上、以下のような検査を行い、診断します。いずれの検査も、特に痛みはありません。
裸眼で行う検査もありますので、コンタクトレンズを装用している方は、コンタクトレンズケースをお持ちください。

視力検査

裸眼視力、矯正視力を調べます。
眼鏡・コンタクトレンズを装用しても視力が上がらない場合には、白内障が疑われます。

細隙灯顕微鏡検査

眼球に細い光を当てた状態で顕微鏡を用いて拡大観察し、水晶体の濁りなどを、肉眼では分からないレベルで検出できる検査です。

眼圧検査

装置に顔をセットし、圧縮した空気を眼球に当てます。空気が吹きつけられますが、痛むほどではありません。眼圧が高い場合には、緑内障が疑われます。
また白内障が疑われる場合も、緑内障を除外するために必要となる検査です。

眼底検査

散瞳薬を点眼して瞳孔を開き、眼底カメラで網膜の状態を調べる検査です。
網膜疾患の発見、除外に役立ちます。

白内障を自分で治すには?

白内障は、自然治癒することはありません。
また薬物療法(点眼治療)も、進行を抑える効果に留まります。根本的な改善のためには、手術が必要です。

白内障の治療

点眼液(目薬)を使用した治療

ピレノキシン製剤

水晶体の濁りの原因となる「キノイド物質」の働きを阻害する薬です。
水晶体の透明性を守り、白内障の進行を抑制します。

グルタチオン製剤

白内障が進行すると、体内のグルタチオンが減少します。これを補うための薬です。
白内障の発症や進行を予防する効果が期待できます。

白内障が進行した場合の治療

レーザー白内障手術

光干渉断層計の測定結果をもとに、コンピュータ制御されたレーザーによって行う白内障手術です。
眼への負担が抑えられ、回復も早くなることが期待できます。

超音波乳化吸引術

超音波乳化吸引術超音波によって水晶体を乳化させ、吸引・除去する手術です。
現在、もっとも一般的な白内障手術となります。

白内障の進行を
遅らせるには?

白内障は進行性の病気であり、放置していると次第に悪化していきます。
根本的な治療としては手術が有効ですが、点眼薬などを用いた薬物療法であっても、白内障の進行を遅らせることが可能です。
またその他、白内障のリスクを減らすことも、進行を遅らせる一定の効果が期待できます。紫外線を浴び過ぎない、喫煙や飲酒を控える、糖尿病にならない・なった場合はきちんと治療を受けるといった対策が挙げられます。

白内障に関するQ&A

白内障になると、白く見えるのでしょうか?

白く見えるとは限りません。視力の低下や、眩しさを感じることもあります。自己判断せず、眼科で検査を受けることをお勧めします。

若くても白内障になりますか?

先天性の場合、子供でも白内障を発症することがあります。加齢性の場合でも、40代から発症することがあります。

白内障は失明しますか?

白内障は、眼の中にある水晶体と呼ばれるレンズの役割をする部分が徐々に濁ります。進行具合によっては、放置すると最終的に失明する恐れがありますが、手術や進行を抑制する治療を行うことで失明を防ぐことができます。

白内障は、もう片方の眼や、他人にうつりますか?

白内障は感染症ではありませんので、うつることはありません。